事業場別説明会
被控訴人は,同年6月末ころから,全国延べ81地区において事業場
別説明会を実施し,本件利率改定について既受給者に対し直接説明し,
理解を求めた。
(乙58ないし乙62,乙66)
(2) 括弧内に記載の書証及び弁論の全趣旨によると,本件利率改定に際して,
被控訴人が控訴人らに本件規程等を以下のとおり送付したことが認められ
る。
ア本件利率改定に際し,控訴人らをはじめとする本件福祉年金の既受給
者から,被控訴人に対し,各人が退職した当時の本件規程を見せて欲し
いとの要望が寄せられた。
そこで,被控訴人は,原本が現存するものに
ついてはワープロで作成し直し,原本が現存しないものについては現存
する本件規程,労使の協定書や答申書,各種の社内通達など現存する他
の資料を参考にして原本の内容を再現し,また,復刻版を作成するなど
した。
この復刻版の作成に際しては,若干の文字や送りがなの変更等を
行った。
(乙3の1ないし5)
イまた,昭和59年10月1日改定の際には,預入限度額が退職金の7
0%以内から50%以内に変更されたことなどとの関係から,労使協定
により経過措置が設けられたところ,本件規程の記載のみからでは経過
措置の内容を知ることができないので,経過措置の対象となっていた既
受給者に送付されることになる昭和61年10月1日改定及び平成2年
4月1日改定に係る本件規程の復刻版には,分かりやすさの観点から第
5条に括弧書きで経過措置の内容を付け加えた。
同様の取扱いは,平成
8年4月1日改定の際の経過措置についても行っている。
なお,分かり
やすさのため,復刻版の作成に際しては,「昭和65年」などと表記せ
ず,平成の元号を用いた。
(乙3の2,4,5,乙19の2,乙20)
ウそして,被控訴人は,平成14年9月17日,本件利率改定の対象と
なった全ての既受給者に対し,前提となる事実3(1)の新年金証書の発送
の際,各人の退職時に存在していた本件規程の復刻版(本文と別表)と
本件利率改定に伴い改定した新しい本件規程の別表も同封して発送した。
(乙3の1ないし5,乙21(枝番も含む。),乙55)
(3) 上記認定のとおり,被控訴人は,本件利率改定をするにあたり,本件規
程の復刻版を作成するなどしてこれを既受給者に送付したうえ,N会定期
支部総会後の会社説明会や事業場別説明会で既受給者に対し本件利率改定
をするに至った経緯を説明して理解を求め,これにより,被控訴人は,既
受給者の94.6%の同意を得たものであり,本件利率改定の手続の相当
性も認めることができる。
4 以上のとおり,本件改廃規定に基づく,本件利率改定は,有効であり,そ
の効力が生じたことが明らかである。
第4 結論
以上の次第で,控訴人らの請求は理由がなく,これを棄却した原判決は相当
であるから,本件控訴を棄却し,控訴人らが当審で追加した請求も,理由がな
いのでこれを棄却し,当審における訴訟費用は,控訴人らの負担とすることと
して,主文のとおり判決する。